子どもが不登校になると、まずは担任の先生になんとかしてほしいと思ってしまいがちです。
でも、学校というのは、登校している子のために動いているもの。
不登校の子への対応に慣れている先生は、いないのが現実です。
先生方も悪気はないしなんとかしてあげたいと思うものの、圧倒的に時間と知識・情報が不足しているため「どうしていいのかわからない」というのが正直なところなのです。
いじめや人間関係のトラブルなど、明らかに学校で対処してもらわなければならない場合を除いては、学校に登校復帰の働きかけを期待をしたり、「何もしてくれない」と非難したりすることはやめた方がよいでしょう。
それを期待すると、学校や先生への不満が高まってしまい、親自身が苦しむことになってしまうからです。
学校は、後述する「事務的なことをしてもらうところ」ととらえ、「過剰に期待しない」というスタンスを保っていると気が楽です。
●学校から「欠席の際は毎日親が電話で連絡を入れてください」と、言われたら
→お子さんが連続して行けなくなった場合は、
「行けそうなときには連絡しますので、基本欠席の連絡はしません」
と、言ってしまって大丈夫です。
中には
「そうは言っても決まりなので、必ず連絡してください。」
と、食い下がってくる先生もいらっしゃいます。
学年主任や校長・副校長などの管理職からそう指示されてしまうのです。
そういうときは、スクールカウンセラーに間に入ってもらいましょう。
専門家に
「毎日欠席の電話を入れるのは、親にとって大変なストレスです」
と、言ってもらえばたいがい納得してくれます。
先生たちも、意味がないとわかっていても規則に縛られている面があります。
あまり不満をためこまず、また遠慮し過ぎることなく、こちらの希望を伝えていきましょう。
●担任の先生の家庭訪問に来たら
→お子さんが不登校になると、まずは担任の先生が家庭訪問にきてくれると思います。
これもケースバイケースなのですが、それが「うれしい」と感じる子と
「プレッシャー」と、感じる子がいますので、注意が必要です。
子どもが先生に会うのを嫌がっているときは、無理に会わせることはありません。
小学生の場合は、先生が苦手で学校が嫌になるというケースもけっこうあります。
先生には申し訳ないのですが、相性の問題なので仕方ないとしかいいようがありません。
その場合は、先生に会うことは、完全に逆効果になってしまいます。
おそらく先生は
「早く学校に戻っておいで」「みんな待ってるよ」「他の子たちもがんばってるんだから、君もがんばらないとだめだよ」
と、いった言葉を並べることと思います。
そういった言葉は、学校に行けない子どもの心にはあまり響かないものです。
状況を見て、親は子どもを守るためにうまく2人の間に介入する必要があるケースも考えられます。
●友人が遊びに来てくれたら
→先生の家庭訪問より、友人が家に来てくれる方が、子どもにとっては気が楽なようです。
学校には行けないけど、友達とは遊べるという子も案外多いものです。
家にこもってしまうと、家族以外と接触する機会がなくなってしまうもの。
そうなると、学校への復帰はますます難しくなってしまいます。
子どもが嫌がらない限り、友人の来訪はできるだけ勧めたいものです。
不登校になったからといって、学校とまったく縁を切ると考える必要はありません。
受験をするにしても適応教室に行くにしても、学校から書類を出してもらったり、問い合わせをしてもらったりする必要があるからです。
また、中には、通常授業には出られないけれども、運動会や修学旅行などのイベントには参加できる、という子もいます。
また、中学の場合、別室で定期試験を受けることも可能です。
「登校」「提出物」「定期試験」が、中学生の成績を決める三大要素です。
どのような形でもよいので成績をとることができれば、受験できる高校の選択肢が広がります。
そういった情報を得るためにも、学校とのつながりは必要といえます。
保健室・教育相談室・図書室など、教室以外であってもお子さんが登校できれば出席にカウントしてもらうことは可能です。
お子さんがどうしても学校に行けないようだったら、
2週間に1回とか1カ月に1回、先生やスクールカウンセラーと面談の約束をして、試験や提出物の情報をもらうのも一つの方法です。
面談がおっくうなら、親が書類などをもらいにいくだけでもいいでしょう。
なんらかの形で学校とつながりを持っていることは、復学の可能性を考える上でも、大切なことといえるでしょう。